①腹圧性尿失禁・・・
▶重い荷物を持ち上げた時、走ったりジャンプをした時、咳やくしゃみをした時など、お腹に力が入った時に尿が漏れてしまうのが腹圧性尿失禁です。女性の尿失禁の中で最も多く、週1回以上経験している女性は500万人以上といわれています。
これは骨盤底筋群という尿道括約筋を含む骨盤底の筋肉が緩むために起こり、加齢や出産を契機に出現したりします。荷重労働や排便時の強いいきみ、喘息なども骨盤底筋を傷める原因になるといわれています。
②切迫性尿失禁
▶急に尿がしたくなり(尿意切迫感)、我慢できずに漏れてしまうのが切迫性尿失禁です。
トイレが近くなったり、トイレにかけ込むようなことが起きたりしますので、外出中や乗り物に乗っている時などに大変に困ります。本来は脳からの指令で排尿はコントロールされていますが、脳血管障害などによりそのコントロールがうまくいかなくなった時など原因が明らかなこともあります。
しかし多くの場合、特に原因がないのに膀胱が勝手に収縮してしまい、尿意切迫感や切迫性尿失禁をきたしてしまいます。男性では前立腺肥大症、女性では膀胱瘤や子宮脱などの骨盤臓器脱も切迫性尿失禁の原因になります。
③混合型尿失禁
- ▶「腹圧性尿失禁」と「切迫性尿失禁」の混合型。
- ④溢流(いつりゅう)性尿失禁
- ▶排出障害が基礎疾患としてあり、尿閉状態となり尿が溢れる状態。
- ⑤機能性尿失禁
- ▶運動機能の障害や、認知症などのためにトイレに間に合わない、あるいはトイレが分からない、排泄行為が認識できないなどの理由で起きる。